【中国ライフの醍醐味】ロマンあふれる、寝台列車のススメ。
大家好~
突然ですが、"寝台列車”に乗ったことはありますか?
寝台列車に乗って一晩を明かしたことはありますか??
結論から言うと、
私は、この半年で、中国の寝台列車に3回乗りました。
そのうち、2回は車内泊をすることになりました。(タノシカッタ!)
現在の日本で、定期運航している寝台列車は、わずかに上下各3本。
※『はまなす』『サンライズ出雲』『サンライズ瀬戸』のみ。
寝台列車に乗った経験がある方が逆に珍しいほど、日本では乗る機会が極めて少ないのです。
面積にして960万㎢もの広大な土地を持つ中国は、
東西の距離は5000km、南北にも3500kmの距離を有しています。
飛行機や高鉄(中国版新幹線)の交通網が発展した現在でも、中国人にとって寝台列車で移動をすることは未だにメジャーな選択肢のの一つに。今なお、1300本以上の寝台列車が現役で運行しているそうです。
今回は、そんな広大な中国を、
寝台列車で旅して感じたこと&おススメの乗り方をご紹介します!
1桂林(柳州)-張家界
543.3km / 158元(約2700円)
初めて寝台列車に乗ったのは、1月末に中国南部をバックパッカー旅行した際。
東京から岡山間(約550km)とほぼ同じ距離を、11時間以上もかけて横断しました。笑
時速に直すと、なんと自動車並みのスピードしか出ていない…!? それもそのはず、途中の駅で何度か止まるので、最終地点まで乗るとなると結構長く感じるかもしれません。
しかし、22時に一斉消灯を迎えるので(はやっ!!)、
それと共に眠りにつくと、あっという間に朝の7時になっていました。
中国では朝が早い人々が多いので、周りのけたたましい生活音で半ば強制的に7時ごろに目が覚めるうえ、車掌の見回りチェックで否応なしに起きることになります。
通常は、硬卧(インウォー)と呼ばれる、
3段式の固いベッドが2つ向かい合った、一切仕切りの無い(!?)6人組の空間で、見ず知らずの人々と共に一晩を明かすことになります。座席に男女の区別はありません。 色々とカオスな要素が詰まっていますね。
上段が最も狭く、座れないほどの高さしかありません。常に圧迫感が凄まじいので、閉所恐怖症の人は、下段の人に交代してもらうことをお勧めします。
↑身長が180cmを超えるとまともに足を延ばせない程の広さで、背の高い人にとっては苦行でしかないですね、、(笑っちゃダメwww)
セキュリティ面に関しては、最も貴重な荷物をまとめて枕元に置いておけば後は基本的に問題なし!笑 あんまりにもオープン過ぎて、相互監視状態になるので、逆にスリなどがいないので安全なのかもしれないですね。※最低限のセキュリティ対策は忘れずに!
洗面所やトイレ(基本的に和式)は当然のように、共同で使うスタイル。
✓Tips: トイレに入る回数は最低限に・かつ清掃が入った直後を狙う!
衛生面や、乗り心地が良いとは決して言い切れない環境ですが、
初対面の人と話して仲良くなったり、移り行く車窓の景色を眺めたり…
非日常的な体験やサバイバル力(?)を身に着けたい方にはおススメです!笑
ハシゴの上で、着替えとメイクが出来るようになります。(実話)
2. 北京-ハルビン(哈爾浜)
1054.2km / 422元(約7,170円)
二度目は、同じく冬休みの2月に、中国の最北・ハルビンの氷祭りに向かった際。
札幌から大阪までの距離[1,055km]を、
14時間かけてのんびり移動したことになります。めちゃゆっくり~
この時だけは、硬卧のチケットが取れなかったため、
软卧(ルァンウォー)と呼ばれる、通常よりはお高めの席で移動しました。
ふっかふか柔らかくて、広めの2段ベッドが向かい合わせで2セット、合計4人一部屋の個室。荷物も、部屋の中に置けるのでセキュリティも抜群!
(相席する残りの2人との相性次第では最高にも最低にもなり得ます、今回は最高!)
朝8時に北京駅を出発して、夜の10時にハルビン駅に着きました。
着いたらマイナス30度の世界が、、、!!!
一日を電車の移動だけで過ごすなんてもったいないなぁ、、と若干思いつつも、
変わりゆく車窓の眺めや、友達とたわいもない話で盛り上がったり、相席したカップルがこっそりとイチャつく様子を片目ににやにやしたり(ごめんなさい笑)、車掌さんに突然”wechat交換しようぜっ!”て言われたり(え笑)、、、気が行くまでお昼寝したり、本を読んだり、こういう一日の過ごし方もまた非日常的でとっても楽しいものです。
友だちが日本から持ってきた、たぬきうどんと豚カレーでQOL爆上げ!!!笑
3.カシュガル-ウルムチ
1080.4km / 297元(約5040円)
留学生活ラストの寝台列車は、先日のウイグル旅行中。
夕方5時半にカシュガルを出発し、
翌日の朝9時半に目的地のウルムチに到着しました。
留学同期8名で寝台列車に乗るとなると、
修学旅行のようなワイワイとした賑やかな楽しさがありました。
中段は一番居心地が良いと言われています。笑
ちなみに今回は、
偶然、移動中の軍人チームと同じ車両になり、
周りをオフモードの軍隊に囲まれる不思議な空間が出来上がりました。笑
荷物置きが、ミリタリー柄に埋め尽くされる。。。
任務中以外でも、とても規則正しい生活リズムを送っていて、
普段の訓練通りにベッドのシーツをピシッと直角に整えるあたり流石でした。
日本人留学生に対しても、優しく紳士的な対応をして下さって、『地球の歩き方』を片手に、色々な話をして盛り上がっていたみたいでしたね!(私は上の段で爆睡してました....)
予想すらしていない、偶然の出会いも旅の醍醐味の一つ。
また、常に課題に追われる北京DD生となれば、消灯時間を過ぎてもiPhoneのライトを灯して暗闇の中でグループディスカッションをすることも?!(実話です)
これこそ、まさに『蛍雪の功』..... はぁ。。
さてさて、
半年で3回寝台列車に乗ったワセジョが教える、
中国・寝台列車のススメ。を、ご紹介!
[持ち物]
・インスタントフード
冷たい水は出ませんが、火傷するほどに熱いお湯なら出る!!
カップラーメンやインスタントコーヒーの粉などを持ち込んでQOLの高い車内生活を過ごしましょう。笑
・お菓子
・水
車内には熱すぎる給湯器しか設置されていない場合が殆どです。喉、乾きます。
・紙コップ
めっっっちゃ便利です!!!歯磨きの際のコップにも、コーヒーやお茶を飲む際のコップにも、その他インスタントフードを食べる際の食器に!使い終わったら簡易ゴミ箱にも。しかもめちゃ安いのでコスパ最強です。
・割りばし
麺類を食べる以外にも、インスタント飲料をかき混ぜたりする際の必需品。
・マスク
特に女性の方で、寝顔や寝起きの顔を見られたくない方は必須!車内は乾燥するので、保湿にも◎
・メイク落とし・化粧水
→市販のトラベル用の詰め替えボトルに入れて携帯するとコンパクトに収まります。ミスト形式が便利!
・充電器
大体、充電用コンセントが無い、或いはあったとしても混んでいたり遠かったりで使えないことが殆どなので、携帯の充電器は持参しましょう。(私は2回も忘れたので、その度に他のメンバーの充電器を借りていました!ひどい!電気泥棒しちゃった皆さんごめんなさい…涙)
▼何故、中国で寝台列車が無くならない??
“中国人にとって、列車で夜を越して目的地に向かうというのは、移動スタイルとして完全に定着している。旅行とはそういうものだという意識が根付いている。それゆえ、所要時間の長さを気にする人は少ないが、移動中の快適性、たとえば乗り物内の広さや、乗り継ぎの回数を気にする人は多い”
1995年から殆ど値上げされていない、安価な旅客運賃が一つ。
また、飛行機や高速鉄道がかなり発達し、移動時間を短縮する手段が沢山存在する現在でも、従来からの長距離移動型の旅行のスタイルとして中国人のライフスタイルに根付いていることも、寝台列車の勢いが衰えない要因の一つなのです。
しかし、目的地まで10時間以上かかる列車より、数時間で目的地に到達する飛行機を使いたいと考えるのは当然であり、格安航空券の普及によって、今後の中国人の選択肢が変化するにつれて、衰退していく可能性も否めませんね、、、
寝台列車の廃線が相次ぐ前に、
是非一度は、ロマンあふれる、中国・寝台列車の旅を。
Fin.